PSO2_ABCD

PSO2であったことを、よにんとひとりで、日記に

電子の海の喫茶店

2014.12.30 午前 【Calm

 

この日、早々にGJをデイリー関係だけを済ませ、すぐにログアウトした
クリスマス以来、相変わらず忙しくてオラクル内ではほとんど何も出来ていない

 

明日の大晦日くらい、予告緊急のひとつは参加したいなと思いつつ
だったら尚更、今日は頑張って現実でやることを済ませなければと自分に言い聞かせる

 

ログアウトし、ふぅと一息、その後台所へと向かう
予め淹れてあったコーヒーを、いつものお気に入りのマグカップに注ぐ
ミルクを冷蔵庫から出して、半々くらいで混ぜる

出来上がったカフェオレを持って自室へ戻る

まずは机に飲み物を置いて
先程まで浸かっていたノートパソコンを操作、
動画読み込みを開始させたのちに机の端へと寄せる
読み込みの間に参考書、教科書、そして過去問集を本棚から取り出し
机の上にドサッと手荒に置く

百科事典のような数々の分厚い本達を目の前にリアルなため息

 

まぁ、やるしかないでしょ

 

口に出せば、諦めもつく

パソコンに繋いであるヘッドホンを取り、耳にあてて、
参考書の昨日まで進めたページを開く

 

動画は、作業用のBGM集
1時間程で一周する、集中力の維持には丁度いい長さのジャズ曲集である


動画タイトルは、
 「静かな夜のカフェ」


動画のタグには、
 「コメントの数だけマスターの数」
 「深刻なマスター不足」


なんてものが入っている
その理由は、流れるコメントにある

 

 「マスター、卒論が終わんないよ

 「マスター、最近彼氏と別れてさ…ちょっと辛いんだ…

 「マスター、兼業って結構ツラいもんだね…


…なんて、皆口々にコメントをする

それに併せ、少し遅れて別の色のコメントが流れてくる


 「焦る必要はありません、自分を信じてください

 「あなたのような素敵な人はいずれ、良いパートナーが見つかるはずです

 「いつもお疲れ様です。ご用向き等ございましたら、いつでもお申し付けを…

 

…こんな感じに、マスター役の人が巧い返事を書く

作業の合間に皆、思い思いの一言をつぶやき、それにマスター役が応える
そのやり取りが繰り返される

 

中には、っというか半数くらいは

 

 「マスター、オレンジジュース

 「マスター、あったかいミルクティーお願い

 「マスター、おなか減ってきちゃった

 

と、本当の喫茶店よろしく注文ごっこなんかもある

これに対しても

 

 「オレンジジュースですね?少々お待ちを…

 「ミルクティー、アッサムです。根を詰めすぎないようにして下さいね

 「サンドイッチならございますよ、お口にあえば良いのですが…

 

と、適確に品物が出てくる
……しかもちょっと美味しそうだったり

 

…っと、ずっとコメントを見ているわけにはいかない

 

ゆったりとジャズが流れる中、勉学を進める
時々カフェオレを挟みつつ、喫茶店での午後が過ぎていく

 

……

………

 

聞き覚えのある曲に戻る
…つまりは1時間過ぎたということ

ゆっくりと背伸びをして、コメントにちょっとだけ目配せをする…あれ?
少しだけ巻き戻してコメントを見直す

 

 「マスター、☆12が出ないよ

 

他のアークスも、喫茶店で作業していたということになる

ログアウトして、アークス稼業を後回しにして、何の作業をしているのかな…
と、思いを巡らせてみる

 

…そして、この直後のマスターの返答が

 

 「ふっふっふ、何用かね

 

…なんで、いるw

うーん、ドゥドゥのマスターか…
と、思いを膨らませてみる

…願い下げだな、うん

 

少しだけ、微笑ましい会話を聞きなおした後、
カフェオレのお代わりを作りに席を立つ

この喫茶店、マスターは言葉数は多いけど
残念ながら実際には働いてくれないから、セルフサービスだしね

…あれ?

…確かにドゥドゥじゃん…