PSO2_ABCD

PSO2であったことを、よにんとひとりで、日記に

桜吹雪舞う、旅立ちの日

2014.4.23 深夜 【Dan

 

仲間達のトドメのラッシュに耐え切れず

ダークファルス【巨躯】が崩れ去っていく

 

今回の危機も無事しのぎ、

崩壊したアークスシップの上で座り込む

 

今回は上手く捌けたなー、とか

新ブレイバースキルのカウンターエッジも悪くはなかったなー、とか

久しぶりのカタナは楽しいけど疲れるなー、とか

…という戦闘後の安堵の一息と

 

ああ、もう数時間したらこのチームとしての共闘も暫くお預けなんだな

…という改めて気付いての一息

 

そんな混じり合った溜め息にも似た一息をつき、宇宙空間を見上げる

 

白いロマンバカマに身を包んだ上に、雪のような白肌

真っ赤に染まった宇宙空間内では白い点がぽつん、と目立っている

 

赤光が終末を物語るようでやっぱりラスボスとしてふさわしい場所なんだろうな

なんて、改めて思う

…ここでの初戦もチームメンバーでやったんだっけ…

皆どんどん倒されてヒーヒー言いながらやった、

危なっかしいものの新鮮さで溢れた初戦を思い出す

 

水色の長髪をたくし上げる。頬のタトゥーと、

デューマンらしい緑と青のオッドアイが覗かせる

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煖(だん)、それがあたしの名前

普通は使わない漢字だが「暖」とほぼ意味は同じである

名前の由来は煖風、暖かい春風のことらしい

かるむには性格に合ってない名前だよねーとは言われるけど、

この名前の響きは大好きだ

 

…やっぱり、新DFもメンバーと一緒にやりたかったかもな

そう思って今度は純粋な溜め息をつく

 

あと1時間ちょっともすれば0時、宣言してたチーム離脱の時である

チームオーダーの納品は済んだ、

無事4500ポイントも持ち越せてそこはもう、問題ない

急いでやることもないし、最後はどこで過ごそうか

そう思った直後には一つの場所が思いついていた

 

…別に思い入れのある特別な場所とかでもなんでもない

 

チームルーム

 

立ち上がり、袴をパンパンと払う

さあ、支度をしないと

 

 

チームルームへ向かう前にエステへと赴く

袴を脱ぎ、取り出したのは新年の時に着てそれっきりのフリソデ

青に花柄の刺繍で自分にはちょっと豪華すぎて、

元旦に着てそれっきりだったけど…

最後なのだし、今回はこれにしておこうと決めていたのだ

 

久しぶりに袖を通し、鏡を見る。これで少しでも画面が明るくなるといいな

耳にフェザーピアスも付け、化粧もほんのりとだけつけてみた

…うん、悪くない

 

髪型は悩んだ挙句、変えずにステューデントSヘアーで通すことにした

左の髪をリボンで結い、まとまっているのを鏡で確かめる

化粧はあるものの、いつもの顔だ、

かるむ、ぶらすとと初期のお気に入りの服で来た所で、

あたしだけ服を変えてしまったけど

髪型だけでも初心に戻れたってことで、それを通せた気がする

うん、そういうことにしておこう

 

…心残りなのは、えあが結局挨拶出来ず仕舞いってことかな

 

 

チームルームに入ると、

目の前には人の背丈の2倍程に育ったフォトンツリーが見える

うちのチームでは「パセリ」だとか「パセ子」だとか呼ばれている

理由はそのまんま、

実装当初のツリーがあまりにも小さく、葉もまばらで、

どう見てもパセリだったから

ツリーのレベルを上げ、成長し大きくなった今でも、

その愛称のまま来てしまったのである

 

そんな不名誉な名前のパセ子のプラント端に座って見上げてみる

 

最初はこんな要求無理だろうと

全員でぶー垂れたフォトンツリーのレベルアップも

今では大分進み、現在出来る最大レベルの少し手前にまで達していた

最初はこんな水吸っちゃうんなら維持できないやと

主にマネージャー達がぶー垂れて、枯らしてしまうに至った水遣りも

今では仕様の変更と十分なポイントのお蔭で

常時枯れずに支援効果を得られるようになった

今まさに支援効果が受けられる状態で、ツリーには光が舞っている

 

新たに追加された、カメラ機能を使っておもむろにパセ子を一枚、パシャリ

 

…パセリの根元の座れそうなところで

ばちゃばちゃしながら座って上を覗きたかった

そうぼやきながら、パセ子を見上げた構図でもう一枚、うん、いい感じだ

 

 「あーなるほどw構図が分かった

 「なるほどw

そういうこと、ばっかり考えてたなw

 「それでこそじゃない?w

 

…あたしはどんな風に見られていたんだろうか…

 

そういぶかしげに考えつつ勝手な「パセ子妄想話」を続けていると

さっきまでアドバンスに行っていたチームメンバーがそろそろと入ってきた

いつもは新スクラッチに身を包んだりする彼女だが

今では空色の「エクエスティオー」という初期服を纏っている

 

……あ

最初に出会った時の服である

もうかれこれ2年弱も前の話なのに、合わせてくれて来たのだ

懐かしいなー、確か、出会いは凍土だったよねw

 

他のメンバーも見送るためなのか集まって来てくれている

一通り集まった所で、エクエスティオーの彼女こと、

パセ子の水遣り役敏腕マネージャーが提案をする

 

 「木、でっかくできるんだよポイント的に

 「行く前に見てってはどーかしら

撮りたい!

めっちゃ撮りたい!

 

喰い付く様に返事をするあたし、

にやにやとしたマネージャーはどの支援レベルを上げるか決め

端末へとアクセスする

 

 「えーっと多分次かな…

 「とうっ

 

 「ちょっ」「でっかw

 「おお

おー

 「でっかw

 「おっきーw

 「もうぱせりがおもいだせないにゃ

 

目の前には大きく葉を茂らせた見事な樹木が鎮座していた

…もうパセリとはとても呼べない

上から撮ろうにも樹が全て入らないほどになっていた

さっきはフィルムに収め切れたのに…

 

すごいなあ…

この樹だけ、撮るなんてやっぱり勿体無い。収まり切らないならいっそ…

あ、あのその折角だし

やっぱり最後に一枚、皆並んでもらってもいいのかな

このあと、新しいカメラ仕様に大興奮しながらシャッターを切ったのは言うまでもない。便利。

 

記念撮影の後、

さ、長居してしまいました…後でSSはお送りしますね

 「あいさ!まっておりますよー

 「ブログアドレスもそのうち教えてねー

 「だんちゃーん…!長い間いろいろありがとうねえ

 「書いてる本人が楽しくなるような、そんなのをかいてください

本当に、本当に、ありがとうございました

 「いつでも戻ってこられるの待ってる!

 「たっしゃでにゃ

 

別れの言葉もほどほどに

…と、一人のニューマンの少女がとことことこちらへ向かってくる

 

え、なにこれw

 「恋文?w

 「金運です、これからのw

 

トレードでプレゼントを渡され…「金色のフォトンチェア」用のチケット

…これ、かなりの高額な物だったはず…

…これは貰うのは申し訳ないや

 

気持ちだけで大丈夫

…嬉しかったけど、流石に申し訳なくて断りました

あたしは青

きっぱりと言えた、自分のトレードカラー

うんうん、最後はカッコよく去れそうだ

 

 「え、あ実は…

え?なに?まだ続くの?

 「いままでだまってましたが

おう

 「XXXさんそうだったの…

 「今まさに胸囲の格差社会に決着が

 「果たし状だった

…なんかイヤな予感する

 

 「Jカップなんです

見るからにキツそうであるハフリマイヒメを着た

目の前のニューマン少女がしたり顔でこっちを見る。

サッカーかこのやろー!!

思わず地団駄を踏みつつツッコむあたし。ギリA

 

 「www

 「サッカーw

セリアへ堕ちろ!

 「とまぁ、冗談ですw

どこまで冗談なのか怖いです!

 

 「Aか…w」「無駄にすっごいうまいな…w

 「A…

 「あぁ、そういう

 「なっとくしてしまった

うるせー!

お前等も納得するなー!!

 

 「ドンマイ

マインドしまくってるよ!

 「最後までこのネタなのね…!

 

ぎゃいぎゃいと騒ぎ立て、ふと我に返る

 

え、え

あの

さっきまでの

しんみり系は?

 「ここから見送ります

 「むしろ最後だからこそこのネタよね

 「芸人さんだし仕方ないよね

…やりなおしを要求s増す

…orz

 「ww

バイバイ;

 「ほなねー!いってらっしゃい!

 「お元気でー、楽しい旅路になりますよーに

 「いつでも戻って来てねー!w

 「帰ってくるのをおまちしております

 「(`・ω・´)b グッ

 「ではね!幸多からんことを!

 

悔し涙をためつつ離脱手続きをして、チームルームから強制転送を受ける

さっきの喧騒が嘘のように

ロビーにただ一人、放り出された

 

追い出し方には一言物申したいけど…

最後の最後まで、楽しく話せました

 

 

…あ、SS皆に送らないとな

つい先程撮った写真を呼び出す

みんなの勢揃いの写真を見てにやにやする

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後ろには青々と茂っている一本の樹木

「青々と茂っている」、が…

 

季節毎に花咲いたり、紅葉したり

そうなっても欲しかったな、そういうこと、ばっかり考えてたなw

 『だって。パセリ、今頑張って花開け。

 

…心の中ではパセリ、満開に桃色の花を付けていたと思う

別れの春であり、出会いの春でもある

 

このチームに入れてよかった

このチームで一杯遊べてよかった

このチームで一杯お喋りできてよかった

このチームで一杯笑えてよかった

 

…胸の中の満開のココロと共に

私は新しい一歩を踏み出す

 

野良珍道中編(仮)、始まりです