砂と、ハコと、味噌汁と
2014.5.5 午前 【Dan】
今日のお昼前、11時から予告されていた第一採掘場の防衛任務だ
経験値の為、キューブの為、そしてあわよくば☆11武器を求めて
経験値チケットとレアドロップチケットを握り締め、
人がごった返すSHブロックへと赴く
まだまだ野良が久しぶりで乱入の要領を得ないあたしにとって、
野良リーダーをやるのはちょっと不安だ
どっかに手頃な野良募集はないかな…っとカウンターでデータ表示をお願いする
今日は真っ黒なオラキオパレオに、
色を黒に合わせたポラリスハット
…あと、ちょっと恥ずかしいのでフレアパレオを腰に一巻き
赤のブレイズペイントに合わせて、赤いルージュピアスを耳に付ける
ちょっとだけ魔法が上手く見えそうな、黒魔道士服
職は見た目通りの法撃職に変更してある
普通の法撃職のようなダメージディーラーではないけれど、
野良でも一番安定するのがこの職だろうと踏んだのだ
サブが少し特殊なので改めてキャラクター情報を確認し、
それからカウンター情報に目を通す
募集PTの中に一つ顔文字が入っているものに真っ先に目が行った
【楽しくやろう[ﾟдﾟ]】
という一文目で、部屋名は「緊急待機」
まだ一人も入っておらず、リーダーのみ
このリーダーさんならフランクに迎え入れてくれそうだ…それに
…この顔文字、やっぱりあの種族さんなのかな…
そう思い、期待しつつ参加手続きをする
すぐに回線が繋がり、第一声を放つ
野良の第一印象となる第一声、これがあたしは好きだ
どういう人なのか知る機会でもあるし、ここから始まる会話もかなり多い
「おじゃましまーすー、参加大丈夫でしょーかっ」
「ようこそ。一緒にやろう」
おお、思ったようなフランクな迎え入れ
「一緒に」って一言が野良の別PTとはまた超えた繋がりがあることを印象付ける
相手は既にキャンプシップ内に待機してるようだった、こちらも急いで向かう
キャンプシップには
やっぱりというべきかキャストが佇んでいた
しかしそれは予想に反して、女性型だった
女性型で、ボディは完全に真っ白
スタビライザーを搭載した上に
アームは「ディスタレディ・シリーズ」になっているお蔭でとても重量系に見える
しかし、人工皮膚は肌色で栗色の髪であるため、人間っぽさが伺える
それにショートカットの髪の上にはピンクチェリーバレッタを添えており、
可愛らしさがちゃんとある
その初対面での容姿の可愛さと、
募集コメントの「[ﾟдﾟ]」で勝手にイメージしていたハコとのギャップに、
つい本音が出る
「あれ、募集コメントからハコさんなのかなって思ってた…ｗ」
「[ﾟдﾟ]?」
あ、一応注釈しておくと、
[ﾟдﾟ]とはハコ、男性キャストの愛称でありアスキーアートである
旧作、PSOで愛されていたレイキャストが「防御が高い」
と説明されていた癖に防御が実際には弱く
パーツがダンボールで出来ているんじゃないかといわれ、
そこから「ハコ」と渾名が生まれ
更にその弱さ故に「ハコは帰れ！」とまで言われたとしてその一言に対して
ﾊｺﾓｱｲｼﾃ[ﾟдﾟ]
なんて言っていたのだ
まあ、とどのつまり、男性キャスト（パーツ型のみを指す）の愛称である
「でもスタビライザー付けてて重量系でカッコいい！」
と、男性に間違えた事への変なフォローを慌てて入れていると、
彼女は倉庫からごそごそと何か取り出し、パーツ変更をする
「これだとわからないだろうw」
レッグまでもディスタレディ・シリーズに換装し、より一層重量系となる
なるほど。これはもう完全にハコ。足音も聞こえてきそうだｗ
「ボイスも切ってるからね。ぱっとみじゃわからないからよくまちがわれるんだw」
慣れっ子なのだろう、ハコらしさを出すキャスト女性なんて珍しいから…
でもこういう、可愛さとカッコ良さの両立を出来るキャストはやっぱり羨ましい
「可愛らしさも大事だけど」
「カッコよさも大事だものねえ…」
「はっはっは[ﾟдﾟ]」
「う、語尾にAA付くと余計ハコっぽい…！」
このヒト、本当は中身生粋のハコさんなんじゃないかな…
っと、そろそろ緊急任務の開始時間だ
「さあ40秒前。用意はできてる?」
「ばっちり！」
シップ内の端末より、純白のハ…キャストが任務手続きをする
結局それ以上PTが増えることはなく、2人で乱入する事となった
メリッタからの通信を聞き流しつつ、最終準備を整える
このタイミングであたしはユニット、防具を装着する
このプレイスタイル用に作ってもらったクリスユニット一式
装着を全て完了すると自分の耳にだけビープ音が鳴り響く
少し眩暈がしたのち、HPを確認
半減した状態を示す赤い明滅が見える
HP上昇を目一杯付与させた防具であるため、当然であり、
これがこのスタイルのミソ。勿論回復はしない
一人だけ体力が危険なまま、採掘場へと送り込まれる
メインはフォースだが、サブはファイター
ナックルを使い、北端へ向けて一目散に走っていく
敵の襲来が始まり、ダガンやエルアーダの群れが現れる
あたしはその中にタリスを放り込み、まずはゾンディールで一箇所に集める
しかしそれだけじゃ、敵の猛進は止まらない…だから
「…バータ。」
チャージしたバータを先程までゾンディールを展開していたタリスより射出させる
集まっていた敵が全て氷塊へと変わる
ファイターのスキル、ハーフラインブースト
HPが半減した状態であれば、相手に状態異常を劇的に付与し易くなるというスキルだ
前線で戦うファイターであればかなりのリスクだが、
タリスを使う今のあたしならそこまで脅威ではない
なので防具を駆使してHPをあえて減らし、常にこのスキルを発動させておく
そうすれば氷牙で凍結率を上げたバータであればほぼ凍結させることが出来るのだ
そう、プレイスタイルとしては完全なジャマー型
敵が攻めてくる防衛戦では足止めをばら撒けるこのスタイルはどの仲間とも相性がよく
自分の行える職種の中では最も安定性を作り出せると思っている
今の凍結でも、固まった相手を次々とブレイバーやガンナー、他のフォース達が砕き、倒してくれた
ハ…キャストの彼女も、重そうに見える機体を軽やかに躍らせ、次々と敵をマシンガンで撃ち倒していく
第一波が即効で終わり、貢献度結果が表示される
「いえい」
「良い感じだ」
「1位かっこいー」
仲間が火力で一気に殲滅し、上位、というか首位に入る
サポート役としては本人と同じくらい嬉しいものだ
褒められたレイキャシールは照れながら返事をする
「白く塗ってリアウィングつけて、ボディカーボンにした[ﾟдﾟ]ﾊｺﾃﾞｽ」
「結局ﾊｺなの！」
「[ﾟдﾟ]ﾊｯﾊｯﾊ」
…やっぱりこの人、ハコだ！
このあともあたしは敵の位置誘導、妨害をこなし、
そこへとガンナーのリーダーが撃ち込む
という基本スタイルが出来、スムーズに防衛は進んだ
途中で再受注ラッシュラグのためか、一時的に重くなり、
その隙にリーダーがぺちゃんこに潰されたくらいで
他は危険なこともなく雑談も交えつつ時間に余裕を持って緊急受注3周目を達成する
3周目になるとお互い時間のプレッシャーがなくなったためか、雑談にも拍車が掛かる
「しかしこの採掘場はなにほってんだろうねえ」
「結局ストーリーでも触れないままなんだよねー・・・」
「ｳﾝ[ﾟдﾟ]」
「黒い煙だしなんーか怪しいよね。ダーカーカラーというか」
「まるでストロンチウムの炎色反応みたいですね[ﾟдﾟ]」
「となれば塩をこの煙突くべれば橙色に・・・」
「せっかくだしバリウムいれて緑にしようじぇ[ﾟдﾟ]」
「グワナってサービスインのとき新ボスとして紹介されていたけど」
「何気にそれより前にくばられてたキャラクリ対鍵盤のベンチテストにしれっとでてましたよね[ﾟдﾟ]」
おおう、そう言えばそうだった、ってもうそれも2年前か…懐かしいですね、
ってーか、デューマンキャラクリ体験版はついぞないのですか…！！
「ｽﾃｷ! ﾀﾞｲﾃ[ﾟдﾟ]」※ to public
「ﾐｽ」
「ｳﾞｫｰはずかしい」
「抱いてあげようか？」
「・・・硬そうだけど」
[ﾟ дﾟ]
[ ﾟдﾟ ]
（・・；）
「しゃべってばかりいたら順位ぼこぼこおちてきたけどもまーいいでしょ3周目だしラストだし」
予想通りというかなんというか、
ものすごいフランクな人だったなと思う一言が最後に
あ、でもあたしの見る限り仕事してました
適当そうな顔してラグネのコアに鉛弾ぶちこんでました。
そんな最終ウェーブ近づく中、彼女がリーダーをした理由をぼそっと言ってくれた
「最近pso2もマンネリカしてきてるから」
「へやたててきぶんてんかんしてるんですよ[ﾟдﾟ]」
なるほど、気分転換出来るのはすごい分かる
同じクエストでも一緒に行く人がいて、話す内容が違えばまた新たなものが見えてくる
「結局喋るのが一番たのしいですしのー」
「そうなんですよ」
「毎朝くうみそしるのなかみが毎日トーフだったらあきるでしょ。それとおなじです[ﾟдﾟ]」
おー、すごい納得できる例え！
あたしたち、プレイヤーは楽しむ為に毎日同じゲームをしている
それでも今日はこのクエスト行ってみよう、とか
今日の緊急はこの職で、この動き方でやってみよう、とか
今日はあの人に会えてこんだけ話してしまった、とか
全部同じゲームだけど、内容は毎回変わる
トーフだったり、ネギだったり、ワカメだったり、
そしてその根幹には個人個人の味付け、プレイスタイルがある
プレイヤーの味付け、さしずめ、おふくろの味って言えるのかな
それはお互い尊重するべきだし、本当に人それぞれであろう
あ、「おふくろの味論」はあたしの付け足しですが…
…どうです？筋通ってません？
あなたのPSO2でのおふくろの味、どんなのです？
無事3周目も塔への損害が無く終了し、お互い労いの言葉を掛ける
「おつかれさん! さんかありがとう」
「いいえーこちらこそ！」
「こんなぐあいでいーっつもへやたててるから。みかけたらまたさんかしておくれ![ﾟдﾟ]」
「トーフの代わりにはせ参じますー」
「それじゃひるめしだ!」
あ、そっかそろそろ昼御飯作らないと…
折角お味噌汁の話題も出たんだし、ささっとお味噌汁も作って食べようかなー…
「すきやきつくるよ![ﾟдﾟ]ﾜﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ」
そしてPTが解散される
(゜‐゜*)
(゜‐゜*;)
…え？御昼なに食べるのかって？
…焼きそば…かなって…
…あ、あとお味噌汁。
昼からすきやきってなんだよぉおおお！？
