凝縮、数分間

2014.11.14 深夜　【Calm】

うーん･･･しまった
カウンター前で唸るしかない･･･うーん

アークママークの付いたフォルダを呼び出す

今はシップ対抗戦の真っ最中、

･･･今回の御題が

･･･そう

･･･ぼっち殺しの

「PTを組んでクリア！」

･･･だった

直前にエルダー緊急があったので、そこでPTを組めばよかったのだけど･･･
その時にはソロでやってしまったのだ･･･そこが致命傷

深夜の1時、今から誰かを拉･･･誘うわけにも･･･うーん

「さーて、どうするかなー･･･」

　「イソノ野球しようぜっていえばいいよ」

「！」

唸り声を通信越しに伝えてしまったために、こんな冗談を返される
エルダー緊急中、呑気にウィスパーでお喋りしてた友達が声の主
彼を誘えばいいのだろうけど、ってか付き合うよとは言ってくれてるんだろうけど

頼みの綱だった、
「SHデイリーオーダーを一緒にやって寝ようよ」作戦も今回は失敗におわり、誘い難い

高々と掲げられたSHデイリーオーダーは「地下坑道探索」
ソロの方が楽という矛盾している珍しいフリーミッション･･･ここで引かないで、欲しかった

もう既に彼は別のPTでエルダー戦を周回したため、
とっくにノルマは終わっているだろうから･･･
やっぱ、ここで付き合わせるのは悪い

アンネリーゼさんにお願いして、PT検索を実行して貰う

検索対象は「ザウーダン討伐」
数分で終わるこのミッションなら･･･うんうん、やっぱり

ぼっちが群れてたｗ

【乱入歓迎、適当な回数まで周回します、2人からー】

【一緒に☆稼ぎましょう、Maxの12周！】

とかとか･･･

色んな周回数を考えて提示してあるPTがそこかしこのブロックでヒットしていた

その中で

【2人になり次第出発、ノルマの2周だけ、寝る前に】

のPTが隣接ブロックで待機状態になっていた
現在リーダーのみ、ここだっ！
転送手続きとPT登録手続きを同時に済ませ、隣接ブロックへと転送して貰う

　「･･･ザウーダンまわし？」

やんわりとしたお誘いをしてくれた友人に事を説明し、
行って来ると一言伝えたらこの返事

どうやら彼はぼっちの生きる術を知らなかったみたいだ

「ガロンゴ回しと同じようなもんだよ」

もうPTへの転送が終わるし、適当にあしらっておく、すまない。（違います

　「よろしくー」

「おじゃましまーす、よろしくどうぞっ」

回線が通じ、シップで待機していたリーダーと連絡が入る
そそくさとシップへと入ると迎えてくれたのは白尻尾の女性キャスト
見た目は白尻尾に狐耳に、鎧を着込み、人型であるが
横から覗く耳パーツがキャストであることを物語る

「寝る前にこれだけ済ませたいなーって渡りに船でしたー」

素直にまずはPT設立の感謝を述べる
相変わらずリーダーをするのは、苦手だから･･･

　「ぼっちにはやっかいな課題ですねぇ」
　「こちらもありがたい」

「ねー･･･ｗ」

お互いのぼっち事情を共感した上でリーダーの　ほな、いきましょー　で二人してテレプールへと飛び込む

単一マップを一直線に進んでいく
道中でウーダンやラッピーが出てくるので、お互いなんとなく攻撃を仕掛ける
･･･そしてお互い、ぼそりと確認をとる

　「ザウーダンってラストだけでAいったっけ？」

「いったような、微妙に不安でさ、ちょっと殴っちゃったｗ」

　「おなじくｗ」

にししと笑いあい、そのテキトウな小規模戦闘を繰り返し任務を完了させる
任務完了と共に対抗戦目標達成の連絡も入る

　「いけたいけた」

「Sになってるｗ」

ちょっと倒しただけなのだけど、Sランクまでやってしまってたようだ
とはいえ数秒の追加程度なのでこの調子でも全然正味の時間は変わらないだろう

同じような討伐を行い、
またもSランクを取得して無事ノルマは達成された

ほんの、5分も掛からないで先程までの悩み事は終わってしまった･･･あっけない
ぼっち出身の二人はお互い、ねぎらいの言葉を掛け合う

　「これで安心してねれます、参加ありがとねー」

「こちらもこれでアークマの夢見ないで済むよｗ」

　「ｗ」

少しの感謝と共に、解散となる
さくっとやって寝る、その別れの言葉は当然

「おやすみなさいー」

　「おやすみー」

なんだか、数分なのに、大仕事を一緒にやってのけたよう
満ち足りた気分になってロビーへ、そしてマイルームへと戻る

少しの修練クラフトを済ませて、寝る前に通信履歴がないか確認をする

一件新着のGJが、

【PT参加ありがとー】

先のたった数分間のリーダーから届いていた
こちらも送り返す。また是非遊びましょう、と追記もして

･･･今日はいいPTに巡り合えたな

「オワタ」

　「ハエエナ」

ぼっちも、なめないで頂きたい